懐かしのエロイムエッサイム

こんにちは、あゆかです。今回は学生時代に宗教学の講義でちょろっと話題に上がった『悪魔くん』、なんとアニメ化(正確には再アニメ化)されるということで記事にしました。


ようは「エロヒム、エロイム」という歌は宗教的背景があるのだろうかという質問だったのですけどね。

名前は悪魔だけど

主人公の埋もれ木真吾がいわゆる悪魔くんで、その相棒がメフィストといいます。


メフィストという名前は「青のエクソシスト」をはじめとした多くのアニメで引用されているので「ずるいやつ」とか「抜け目ないやつ」と思われがちです。


ただ、水木さんのメフィストはひねくれたところもないんですよね。主人公悪魔くんが抱く「この世から飢えと争いをなくしたい」という願いをかなえるために、ひたすら手を貸します。


たぶん戦争体験を直接聞いてこなかった世代からすると、「飢えや争いを完全になくすのなんて無理じゃん」と思われそうです。でも水木さんは戦争に行き、多くの戦友をみとることもあったでしょうし命からがら切り抜けてきたことでしょう。


力を借りるのは悪魔だろうと使徒であろうとかまわない、としているあたりに水木さんの平和への強烈な願いが現れているように思います。


水木さん生誕100周年

正確にいうと今年が99周年なんですが、めでたいということで企画されたようです。


水木さんというと、同時代に活躍していた漫画家たちが不規則な生活を原因として次々に病に倒れたことに対して「とにかくよく寝ろ」とおっしゃっていましたね。


2015年、93歳で亡くなりましたがもう本当に「水木さんの言葉通り、人間寝なくちゃいけないんだなあ」と実感するほどお元気な方でした。


妖怪に関しての図鑑も見ましたが、筆で描いた線がとにかく緻密で、これでもかといわんばかりに描きこまれているんですよ。

しかも戦争で片腕をなくされているので、それでもってあのクオリティを維持しているのかと思うとただただ敬意を表します。


まとめ

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

当時は幼稚園児向けの雑誌に掲載されていた『悪魔くん』。でも作品に込められたメッセージがとにかく真っすぐで、いつも斜に構えがちだった私も姿勢を正したくらいすごいアニメです。


宮殿に住むようなセレブが「飢えと争いをなくしたい」と言い切ったら何割かはヤジが飛びますが、水木さんの書く『悪魔くん』の言葉であれば絶対にヤジなんて飛んでこないですからね。


戦争は個人では止められませんが、作品に含まれたメッセージを通じて、全員で世界平和について考えることはできます。


「個人は無力ではない、できる範囲で世界をよくするために行動しなさい」これが水木さんの真のメッセージだったのではないかと思います。