Far Yeast Brewingが小菅村へ

」### リモートワークから本社移転を決定 クラフトビールメーカーFar Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)が渋谷から本社を小菅村に移したそうです。

コロナウイルスの影響でリモートワークにしたところ、生産効率が落ちないということで移転になりましたが、ほかにも理由がありました。 渋谷といえばかつてはギャルの集う街、超有名スポットのひとつです。賃料が高いのはわかるんですが、法人税もかなり高かったと社長は話しています。

山田司郎さんの経歴

「地元の小菅村の方が協力してくれた~」とあったので、疑問がわきました。「もしかして山田社長は小菅村の出身なのかな?いわゆるUターン就職かな」と思って調べたら経歴がすごかった。 山田司郎さんは愛知県名古屋市の出身なので、小菅村が地元と言うわけではないんですね。

明治大学政治経済学部を卒業してVC(ベンチャーキャピタル投資ファンドのこと)に就職し、サイバーエージェント、2000年には「オン・ザ・エッヂ」の投資MA担当となりました。1975年生まれですので、1997年に大学卒業したと考えると、1998年にVC,1999年にサイバーエージェント、2000年24歳のころに「オン・ザ・エッヂ(現在のライブドア)」へと目まぐるしく移っています。しかも26歳で「オン・ザ・エッヂ」の取締役ということですからもう、大大出世といって間違いありませんね。

その後ケンブリッジ・ジャッジ・ビジネス・スクールでMBAを取得しに行きます。イギリスにあるケンブリッジ大学の経営大学院なのですが、経歴とスケールがすごすぎてめまいがしてきました。 イギリス滞在中にビール文化に触れたこと、大学院では食品関係とは関係のない人であっても「インド料理にあうビールがほしい」という理由でビールを作ってしまうなど、行動力のすごい人ばかりだったそうです。 確かに日本の大学では、目をキラキラさせた学生もいることにはいますが、15年ほど前の私がいた大学は「起業するのは正気の沙汰ではない」とみられていた時期もありました。

帰国後山田さんは「黄色い炭酸飲料」という見方しかされなくなったビールをもっとかっこよく、もっとこだわりを持って売りたいという思いから、Far Yeast Brewingを立ち上げます。理由としては「クラフトビールの時代が来る」と確信したためです。またアメリカでも、ビールにさほどこだわりをもたなかった消費者が大半だったのでした。クラフトビールが発売されてから国民に受け入れられ、クラフトビールの企業は大企業へと発展しました。

アメリカでの流れは日本にもやってくる。きっとそう考えて創業されたのでしょう。

山梨県小菅村

東京の有名な企業が来るということで小菅村は大歓迎。なにせ人口700人ということですから、知名度アップは間違いなしですもんね。地元企業もビールにヒラタケやヤマメを合わせてうる「小菅村源流セット」などでコラボを実現させました。また、移転したことでアメリカ人の採用にも成功。 彼らが応募してきた理由は「地方でベルジャンビールを作るなんて面白い!」と思ったから。ちなみにベルジャンと言うのはベルギー地方の事をさし、コリアンダーオレンジピールを使ったフルーティーな香りのビールだそうです。

まとめ

このニュースは学生にとっても企業にとっても明るいニュースだと思います。これまでは「都内に本社を置くのがステータス」という考えもあったでしょう。 それがコロナ禍において、「本社は都内にこだわらなくてもいいかも」と言う考えが強くなってきたんです。

企業が地方にうつったり、あえて東京進出を目指さない。これから加速していくかもしれませんね。

ちなみに「ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない」で岸部露伴が、FAXや郵便があるから漫画家が都内に出る理由はないと語っています。今後もこうした合理化が進むでしょうが、これによって「有名な企業があるのは○○県の○○町」といった注目がされるとなると自治体の再評価へとつながっていくことでしょう。