東急ハンズ池袋店、9月下旬に店じまい?

1984年開店

このニュースはショックでした。地方在住の私にとっては、「あらゆるものが扱われているデパート」のような存在、それが東急ハンズでした。 漫画を描く材料や画材、天然石、きれいな文房具など、持っていったお小遣いをすべて使い切っても買いきれないくらい、夢の空間でした。

インターネット通販で買いものをするようになったのがだいたい15年前くらい。それまでの地方のお店は「うちになければ他には扱ってません」と断るようなところもありました。 だからお店にないときは、すっかりあきらめていたものです。

それが、東急ハンズに行くと、欲しかったものがなんでもありました。今そこで買うことができる、当たり前のようでいてめちゃくちゃ幸せな気持ちになったものです。

そんな感動も、インターネット通販がメジャーになり、ますます忙しくなるとだんだん薄れていきました。 買い物はわくわく体験をするところでなく、「必要なものを淡々と買うところ」になっていったのです。

最近は育児もあり、都内に出る機会もなくなっていました。また、きれいな飾りを買っても子供に壊されることを考えると、「ときめく気持ち」はまったく消え失せていたんですね。 欲しいもの、でなく必要なものしか買わなくなり、都内に出向いてまで買っていられないとなると、やはり通販オンリーになりがち。

改装費とコロナ禍による売り上げ減少

東急ハンズもいつまでも新しいような気がしていたのですが、36年もたつんですよね。改装費がかかること、コロナによる客足の伸びないことを理由に9月末に閉店するとのことでした。とはいえ、コロナの前から閉店を考えていたといいます。

かつては店頭にやってきて、新しいものを見て回るという方法で買い物するだけの時間の余裕がありました。 私の場合ですが、2000年代後半から2010年にかけて妙に仕事の量が多く、あまり意味のない会議や書類作成に時間を取られがちで外出する時間が減っていました。 欲しいものがあれば通販で、という選択肢しかない時期だったとも言えます。

もっとお店に行っていれば、という気持ちもありますが、この忙しすぎて店に行けないという世の中の状況をまず変える必要があるでしょう。

まとめ

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。 東急ハンズ閉店はショックなニュースですが、今後もリアル店舗よりインターネットへのシフトは大きくなっていくと思います。

その反面、「リアルの店舗でしか体験できないこと、ショッピング」が娯楽のように扱われる時代が来ると思います。これまでの時代は個人の時間とお金を何としてでもぎりぎりまで取り上げて余計なことを考えさせないようにしよう、といった風潮がありました。

でもある程度の余暇がないと、行き詰りますし経済にも悪影響が出ます。 お金はあるけど、買い物に行く時間が無い、お店がないなんて、笑えない話が現実になりつつあるのが怖いですね。